1 部分意匠の分類

部分意匠は、破線部分と実線部分との関連性を観察し検討することにより、いくつかの種類に分類可能である。このような分類化の試みにより、部分意匠の類否判断を適正化することが可能であると考える。

要部説や独立説の対立の原因は、それぞれの説の論者が想定している部分意匠の典型的なケースが互いに異なっている点にある。要部説や独立説に関する論文の多くは、具体的なケースについての分析がなされておらず抽象論に終始している。こうした抽象的な議論は実務において全く役に立たない。

揺動説は類型化された様々な部分意匠のケースを具体的に検証することにより、揺動範囲を具体的に検証し、その作業を通じて部分意匠の本質に迫るというアプローチを採る。

揺動説は、以下のように部分意匠を6分類に類型化する。

(1) 全体型
(2) 部分完結型
(3) 部分未完結型(特徴型)
(4) 部分未完結型(非特徴型)
(5) 模様型
(6) 織物地型

以下、これらの分類ごとに揺動範囲がどのように変動するかを説明する。

(2006/2/11)

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