1 基本的構成態様の定義

上述した形態の定義と呼べるものが基本的構成態様であろう。基本的構成態様とは、物体の形態がどのようなものであるかを最も簡潔に示す視覚情報である。複数の面から構成されている物体の場合には、それらの面と面の関連性がその物体の形態をもっとも簡潔に示している。なぜならば、それらの面は、物体と外界の境界に存在し、その物体の存在を視覚的に定義しているからである。従って、基本的構成態様とは、物品の面と面との関連性を示したものと言うことができよう。

乱れ箱事件においては、対照表に表記されている形態要素(1)の「上部に脱衣籠を備えた本体に2個の洗濯籠を並列載置して三者一体とした形状」が基本的構成態様であるが、この基本的構成態様として抽出された形態要素は、物品の形態を極めて単純化することにより行われている。そして、この単純化によって最後に残された形態の骨格とも言うべきものが面と面との関連性である。上部の脱衣籠を構成している面、2個の洗濯籠を構成している面、そして、それらの面が並列の状態で整列していること、これが面と面との関連性であり、基本的構成態様なのである。

(2008/1/4)

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